『エスカルゴ兄弟』津原泰水さん著 読了
讃岐うどんvs伊勢うどんの仁義なき戦いか?
『エスカルゴ兄弟』津原泰水 P317
軽いステップ踏みながら、ずんずんぐるぐると読ませる文調が好きだわ。
あらすじ(ちょこっと)
編集者の柳楽尚登は、ある日突然リストラされてしまう。
何故か勝手に決められていた再就職先は、立ち飲み居酒屋からリニューアルオープンするエスカルゴ料理専門店「スパイラル」。
そこには螺旋系に魅せられた写真家の雨野秋彦が待っていた。
たいてい芸術家ってそうだよなっつうくらい秋彦は超ヘンテコ人間。可笑しな拘りで頑固に見せてるけど、押しには滅法弱いとくるから「おいこらっ!」って突っ込みながら笑いが止まんない。
秋彦の妹の梓もなかなか男前な性格の女子高生で物語のイイ出汁だしてるよ。
主人公尚登は、讃岐うどん屋の次男坊で料理に造詣は深い。創作料理もちゃちゃっと作ってしまう器用な優男だ。ひょんなことから恋に落ちたソフィーマルソー似の桜は伊勢うどん屋の看板娘!婚約者として現れたのは稲庭うどんの専務。
讃岐うどんvs伊勢うどんとくれば、勝敗は太さとコシが自慢の大人気な讃岐うどんだ!って心の声が叫んだが、あれ?え?そーくる?な展開に伊勢うどんも食べてみたくなる。(ごめんなさい、だけど伊勢うどん派ではないのよ。)
ああ、何とも可笑しなシチュエーションに読む手が止まらない。
これは皆さんが好評価なのも頷ける大満足のご馳走様本だー。
書店に並んでいると目立つのよ、この作品。(笑)
今話題の、PPAPのピコ太郎の衣装を彷彿させるような表紙が目印ですよ!