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なないろ日記 ~りんごの国から~ 

読書・折り紙・エコたわし作り・靴下わっか指編み・お絵かき・展覧会 あれもこれもと、七色にコロコロと襲い来る趣味との戦いの壮絶な記録!!

『その女アレックス』ピエール・ルメートル著を読了

フランス人作家の犯罪小説

「その女アレックス」ピエール・ルメートル

 

この作品、知らない人いないんじゃない?
書店では、ひと際目を惹く廃墟に縛られた網タイツ破けた女性の表紙にたじろいで手にする勇気なかったんですけど・・・
アレックス祭りなくらい、巷では盛り上がりを見せる作品で、日本人たら犯罪小説めっちゃ好きじゃん?なして?
と、私の中で、最近、世の中がめっちゃ怖いんじゃね?な連想が始まっていた。
購入したのは昨年のことで、まず、友人に味見してもらって、その友人の反応を見てから読もうと決心していたのだが・・・

 

友人何も語らず

 

無言で本を返す友人の顔には「イシシ」と薄っすらと笑いが浮かんでいた。

怖いんですけどおおおおお

よっしゃ、これはもう読むしかないな。と勇気を出してようやく「アレ祭り」参戦でワッショイ!である。

読み終えた方へ

101ページ以降の展開は、
まだ読んでないひとに
けっして話さないでください。

カバーの後ろには、↑のように記されていた。

友人何も語らずは、これを忠実に守るためだったのね。
読み終えた今、私も、何をどう語ったら良いのか言葉が出てこない。
この作品の楽しみ方を奪ってはならないと、必死にアレコレと考えてしまう。

感想

どんな、内容か?って、それはもう、ダメだから、
じゃあ、感想を言おう。
(なんじゃそれ?だけど許して)
犯罪小説ってことで、警部が出てくるんだけど4人のコンビが個性的で物語が実に映画的、コント的、漫画的?な楽しみが膨らむ。

ある場面381ページで

「いったいなんなんだよ、時代遅れのコントみたいなこの茶番は」

「お坊ちゃまみたいのが書類を操って、貧乏人が質問し、ガキが教室のすみでお絵かき・・・」

このセリフが作品の中の人物像を象徴していて、頭の中にこびりついて笑ってしまう。
ここで、読者は誰が好みだとか、そろそろヒイキの登場人物が出てくるところだ。

私は、ここでいうお坊ちゃまが好き貧乏人が嫌いだったが、最後に逆転したりと、ピエール・ルメートルには、違う意味で翻弄されまくった。
結局やっぱり、お坊ちゃまが好きだが。

プロットについて慎重に

犯罪小説には、殺害状況などの目を覆うような場面が描かれているので私のようなチキンな読者は、犯罪小説は極力避けて手に取らない。
今回の、アレックスも同様で、表紙からして私をビビらせていた。
ところが、犯罪小説ってのは、プロットがとにかく大切っていうか、キモであって、そこが稚拙であればあるほど、惨殺な印象ばかりが頭に残る。なので、売れてる作品は、プロット凄い!ってことで、読むべきだと今回学んだ。

ピエール・ルメートルは、そこが凄い。

プロットが、天才的にリズムカルに私を揺れ動かし、たどり着いた先では、一体私は誰を恨み、何に脅え、どうして犯人にいきついた?え?どうしよう・・・そんなあ・・・
と、心が四方八方に散り散りになった後に、ようやく自分の元に戻ってきた感じがした。

読了後、最初の恐ろしい記述などすっかり忘れてしまうかのように、何も残らない。
仕組みや仕掛けの凄さに唸ってばかりで、ようやく、犯罪心理にふと戻って行く。

まるで迷路を目隠しして、あちこち引きずり回された読書体験だった。

 

この作品が、多くの賞を受賞しているのは何故か?を知るには、読むしかないのだ。

空前絶後7冠、今、めっちゃ売れてる海外小説

本屋大賞2015年翻訳小説部門受賞(文庫初)
・週刊文集ベストミステリーベスト10
このミステリーがすごい!
・「IN★POKET」文庫翻訳ミステリーベスト10
・「ミステリ」が読みたい
・リーヴル・ド・ボッシュ読書大賞(フランス)
・英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞(ドイツ)

ネタバレ絶対ダメ

読書メーターとかで感想の中にネタバレが含んでいるものがあるけど、絶対ダメだよそれ違反。読むのもダメね。
この作品は、何の基礎知識も持たずに手にして、そのまま連れ去られてしまってちょうだいな。それが、一番、読み方正しいからね。

翻訳出版順序がいじわるじゃね?

最近出版された、ピエール・ルメートル「悲しみのイレーヌ」をご存知?

すでに、アレックス祭りが沈静化し始めた頃に、またもや怪しげな表紙で日本の書店をビクつかせた文庫本が、まさかのアレックスより前の作品だったと知って驚愕。
ピエール、ここでも、私たちに仕掛けてる?
だって、アレックスを読んだ者なら誰しもイレーヌを知ってる。

だとしたら、イレーヌから最初に日本で翻訳出版して欲しかったよ~~~~ってなるじゃん。アレックス読んじゃったから、もう遅いけど、まだの人は、イレーヌから読むのも正解かも。むしろ、そうあるべき?かも。わからんけど。

私、次、イレーヌ行くよ。

他に、「死のドレスを花婿に」も出版された。

なんと「その女アレックス」の原点!と広告うってだ!
なんだ!アレックスの原点ってことは、だよ、先に読むべきだったとか?

まあ、仕方ない。アレックスから読んでしまったのだから。

とりあえず、知らないと損だよ。こんな作品、珍しいんだから。

「その女アレックス」を読んでない人は、怖がらずに祭りに参加すべし!

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