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なないろ日記 ~りんごの国から~ 

読書・折り紙・エコたわし作り・靴下わっか指編み・お絵かき・展覧会 あれもこれもと、七色にコロコロと襲い来る趣味との戦いの壮絶な記録!!

『わが心のジェニファー』浅田次郎著 読了

読書

ニューヨークの若者ラリーの日本文化体験記

「五番街の店を出ると、思いがけず雨が降っていた。」

出だしの一文でニューヨークの五番街を思い出した。
私が7年前に一度だけ訪れたニューヨークの五番街は、まるで日本の銀座だった。

 

ニューヨーカーでウォール街のビジネスマンでもあるラリーが一念発起して日本大好きの恋人ジェニファーにプロポーズする。しかし、彼女は・・・

 

「プロポーズの前に、日本を見てきて欲しいの。休暇をとって、ひとりでゆっくりと」

 

彼女のミッションを素直に実行するラリー。
長期休暇をとって、東京・京都・大阪・大分・再び東京・北海道と日本を旅しながら、ジェニファーに手紙を書く。

 

ラリーから見た日本人や、日本の文化、景色・・・全てのほととんどが好意的に手紙に書かれるのだが、時々くびを傾げてしまうような過大評価も見受けられる。

 

もうすでに、日本という国がアメリカには筒抜けな現在において、ここまでラリーがいちいち驚くのも浅田さんの企みなのか?読んでいてクスッと笑ってしまった。

恋人がいるくせに、日本で軽々と恋に落ちてしまって、すぐに忘れてしまったり・・・

ラリーって、私の苦手なタイプで間違いないわ。

だから、読みながら少し苦痛を感じて主人公に共感できない場合の楽しみ方を左脳?か右脳で絞り出しながら読み進める。文章が上手なので、すらすらと読めてしまうから、なおのことラリーがもう嫌でたまらなくなる。

 

旅先でラリーが出会う人が、もしやジェニファーの演出?と思わせる場面が何度かあるが、真相は明かされないままラストを迎える。

 

これは、外国人から見た異文化の体験記だと思って「ほおーほおー、そんな風に見えてるのか?」と、感じ入りながら楽しんでいたけれど、気が付いたらラリーのいけすかない性格から生まれる苦い笑いや、情けない涙、そして私が気が付かなかった、もしくは忘れていた日本の文化を改めて見直す新鮮な物語だった。

浅田次郎さんの作品に期待する壮大な何かではなく、クスッと笑いながらも自分の身の回りに目を向けるキッカケとなるある意味、軽やかな作品だった。

まっ、ちょっと、軽すぎかもね。(笑)

 

 

 

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