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なないろ日記 ~りんごの国から~ 

読書・折り紙・エコたわし作り・靴下わっか指編み・お絵かき・展覧会 あれもこれもと、七色にコロコロと襲い来る趣味との戦いの壮絶な記録!!

「『罪と罰』を読まない」(岸本佐知子・三浦しをん・吉田篤弘・吉田浩美)を読んだ。

前代未聞の愉快な読書会

ドフトエフスキーっていったら、カラマーゾフの兄弟罪と罰を思い出すのは私だけ?知ってるけど、読んでないのも私だけ?んなわけ・・・


という事で、物書きで仲良しの未読者の四人が罪と罰』を読んでもいないのに、さもありげに物語を妄想しながら読書会を試みている。表紙を開くと、そこは読書会への扉であり読み手も一緒に参加できるっていうご褒美付き。さあ、いざ参ろう~!

読まずに読む読書会のメンバーには三浦しをんさんという妄想女王が鎮座している。彼女のエッセイを手にした人からしたら、この読書会がどのように脱線し名言が飛び出しまくるのか想像できるだろう。読了後、あなたの腹筋はどこまで鍛え上げられているだろうか乞うご期待?うふふ

読まない!

お約束通り、罪と罰』を読まないで集まった四人がなしくずし的に話し始める・・・


この本を読む時にはチーズとワインが必要だった。なんだか初っ端から素面じゃ参加できないんじゃないか?っつうくらい、なしくずし的な愉快さとダラダラどか~ん!な流れ。それって姿勢を正して両手に本を持っている姿があまりに滑稽で、「とりあえず胡坐組もうかな?それとも、寝転んじゃう?」な体制崩壊が始まる。

「読まない!」と断言してるけど、深読みとか、先を読むとかそういう意味では、ここではしっかり「読んでいる」
読者は、大きく分けて二通りとしよう。読んだことがある人(しっかり記憶してるかは別として)、まったく読んだ事がない人(ききかじった事があっても良いとして)だ。
読んだ事がある人にしてみたら、この段階で突っ込みどころ満載でそんな楽しみもあるんだろうな~と想像していたが、私は後者で読んでないので、すっかり四人と同じ机上に並び推理合戦に加わっていた。もしかして、そっちの方が断然楽しいんじゃない?って思いながらね。

読むのかな・・読んだりして・・

と、適当なページを選んで朗読してみたりする。
三浦しをんさんが、「肉屋」で298ページと、本当にだら~とした流れが心地よいんだけど、298ページには肉が出てきて一同「肉だーーー」と叫んだりする。(笑)
始終そんな笑いありな偶然や驚きが混じった読書会で、それぞれの登場人物にあだ名をつけてみたり、知りもしないのに「こいつはこんな奴だと思うから嫌いだ!」みたいな勝手な解釈が飛び交う。主人公はラスコと呼び、その妹を好きな男があまりに熱血でうざいので修造(松岡修造)だとか好き勝手。(笑)
カタカナで長い名前を覚えられない著名人である四人に安心する。(私も絶対覚えられないしっ)しまいには、ドフトエフスキーって人物象を分析していったらラスコと人となりが被るって流れがやってきてしまい、とうとう「ドスコ」と命名されてしまう騒ぎが勃発。で、ドフトエフスキーの思想的解釈も反保守で四人は思い込んでいるあたりが最後になって、バリバリ保守じゃん!って驚きに変わったりするから愉快でたまらん。

で、そろそろ、結局どうなん?(いい加減、妄想にも限界があるってか?)ってなって、四人が『罪と罰』を実際に読んでから日を改めて再び集う約束をする。

登場人物紹介とあらすじ

ここで、登場人物の紹介やあらすじが17ページに渡って解説されている。この登場人物の紹介にも、四人の好き勝手な解釈色が加わっていて「ぷぷぷ」が止まらない。あらすじも、それなりの脚色ありきで作家達の力量がうかがわれる。むしろ、こんな分厚いドスコの『罪と罰』を読まなくてもすっかり読んだ気分になってもういいじゃん!ってなる。・・・と、思っていた。

読んだ!

読んだ四人が再び集まって、なしくずし的に話し始める。
読書会選定の翻訳本は新潮文庫光文社古典新訳文庫に二種類。

 

三浦しをんさんのみ、二種類読了の強者で、持参したノートはそれだけでも出版して欲しい愉快なメモ書きとなり、文庫は受験生のごとく付箋でひらひら状態だった。

読んでからの四人の読書会など、読んでない私には全く面白味がないだろうと読む前は思っていたが、「あらすじ」をちらっと読んだだけで、私もしっかり「読んだ」仲間としてその場で聞き耳を立て、時には「そうそう、私もスぺ派かも」と、相槌まで打ってる始末だ。(笑)
さらに、ドフトエフスキーがどれだけ世界的名作を生み出した巨匠であろうとも、読書会の結果はこうである。

結局『罪と罰』とは・・・

こんなに長い分厚い話にしなくても三分の一に減らせよ・・・みたいな。(笑)

でも、この無駄に見える長さってのが現代の小説にかけている絵的な叙情であり必要悪(笑)でもある。みたいな。(笑)

結局、読みたいか?どうか?って?
私は、世界名作全集の『罪と罰』が手元にあるので、四人の読んでいない訳でチャレンジしようと思う。

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そう、読みたいの。
あの、ざっくりな愉快なあらすじを堪能したにも関わらず、読みたいと思わせるんだから、この読書会は大成功だと言える。
ん?私だけ?

三浦しをんさんからメッセージ

「私はお薦めしますね。わりとぐんぐん読めて、登場人物もみんな変でおもしろいよ、って。」

 

みんな、変って・・・あはは

まとめ

私、こんな「読まずに読む!」読書会がしたい!そう、思わせる一冊でした。
本屋で出会った本を、「きっと、こんな話だろうから我が家に連れ帰ってしまおう」と読まずに積んである我が家の本たちも、想像で読まずに読んだって事であってる?


「私、あなたたちを読まずに読んでみてるんだわ。」と、積読本を透視する自分が。
(今年は、積読本の消化頑張るぞ!)

 

「『罪と罰』を読まない」は、何をもって「読んだ」と言えるのか?を問う作品であり、本好きな仲間とすぐにでも読書会を開きたくなる事、間違いないだろう。
しをんさんも一緒に『カラマーゾフの兄弟』でやってみたい!
リズールで。

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