なないろ日記 ~りんごの国から~ 

読書・折り紙・エコたわし作り・お絵かき・展覧会 あれもこれもと、七色にコロコロと襲い来る趣味との戦いの壮絶な記録!!

出版差し止め裁判中の 『殉愛』百田尚樹著 

『殉愛』裁判

2015年2月12日に図書館本で読了してる『殉愛』。
これ、問題作になっちゃいましたね。
やしきたかじんさんの長女が出版差し止めを求めた裁判が、3/2東京地裁で行われました。
百田のおっちゃん、口頭弁論でいつもの調子で喋りまくって「もう少しゆっくり話してください。」とか、「聞かれてないことは話さなくてもいい」と何回も言われたらしい。
しかし、おっちゃんは話しだしたら止まらない病気にかかってるので、止まらなかったとか。あはは

殉愛ってどんな作品なの?

今は亡き、やしきたかじんさんと妻のさくらさんの出会いから別れまでを赤裸々に綴った作品。
百田のおっちゃんは、たかじんさんと別段交友が深かった訳ではなく、テレビに出演して鋭い意見をズバズバ発する百田尚樹に、たかじんさんが惚れ込んだようで、自分の事を彼に本に書いて欲しいとメモを残して逝ってしまった。
 
『殉愛』が発売された頃に、妻のさくらさんのあらぬ噂が週刊誌の表紙にデカデカと書いてあり、熟読するほど興味は無かったが、何やら見え隠れする背景があまりに胡散臭くて『殉愛』に対する読みたい熱が一気に下がってしまった。
 
あるキッカケで、そんな事をすっかり忘れて図書館で借りてきてしまい読み始めると、百田のおっちゃんの読ませるテクニックのせいか、つい引き込まれていく。
 
たかじんさんが亡くなった時は64歳で、さくらさんが32歳。
 
出会いはインターネットのさくらさんのブログサイト。
いきなり会いたいとさくらさんをクリスマスパーティーに呼びつけ、美女をはべらし仲間と盛大に盛り上がるたかじん
 
出会ってすぐにプロポーズ。しかし、複数の浮気は継続。
金にものを言わせ周りを動かす。
しかし、体に異変が!
ガン発病だ。
さくらさんの出会いとほぼ同時に発病から闘病生活に入り、彼を看取る。
 
たかじんの運転手で自称マネージャーのKという人間の裏切り行為や、元妻との娘との確執など、百田のおっちゃんは完全にさくらさんサイドに立って書いている。
 
書かれている事が本当だと信じながら読んでいても、たかじんは世に名を残す異彩な男であり、沢山の女性を自由にしていたにもかかわらず本当の愛には飢えていたのだと伝わり、さくらさんが不憫でならないし、もしかして偽善愛?と頭を捻る場面も多々ある。
 
さくらさんが左耳の聴力を失う場面では、そばにいて欲しいが為に耳鼻科に緊急入院して治療するチャンスをたかじんは奪う。
 
俺がさくらの耳になる
 
出来もしない約束で、寂しくて不安に苛まれた幼稚な男のただの我儘であった。
 
私は、やしきたかじんの番組が好きだったので亡くなった時はショックだった。
 
しかし、この作品で、赤裸々までにたかじんの内面を曝け出し、私の様に一気に冷めてしまった女性もいるのではないか?と危惧している。
 
珍しく百田のおっちゃん作品で全く心に響かなかった。

醜いな・・・

これ、お金の匂いがプンプンしてる。
やしきたかじんさんが、彼自身が自伝として出版していたら何も問題なかったのかもしれない。

ある日のツイッターでおっちゃんは・・・

たかじん氏の娘が出版差し止め請求の裁判を起こしてきた。裁判となれば、今まで言わなかったこと、本には敢えて書かなかったいろんな証拠を、すべて法廷に提出する。一番おぞましい人間は誰か、真実はどこにあるか、すべて明らかになる。世間はびっくりするぞ。」

 

おっちゃん、何がしたいのかな・・・ダメだわ。こんなん醜いだけだ。
眼を覚ませ!

 

私は、百田尚樹氏の作品の大ファンである。
おっちゃんの悪いとこも含めて嫌いになれないのは、出会った作品があまりにも自分の中で大切に浸透しみずみずしく今も生きているからだ。

ツイッターも本当に、ダメダメなつぶやきが人間臭くて見捨てられない。
ふと憎まれっ子世に憚るを地で行くおっちゃん。

闇の組織に抹殺されなければいいが・・・